日焼け肌はかっこいい??④ ~光老化の三大症状 しわ~

今回のコラムでも前回に引き続き光老化の三大症状についてお話しします。

※前回のコラムはこちら

「しわ」

今回は「しわ」についてお話しします。

しわは、皮膚表面の乾燥に起因する表皮性のしわと、紫外線の影響を大きく受けてできる、いわゆる光老化の症状である真皮性のしわに大別されます。
表皮性のしわは角層の水分が失われ、キメが乱れることでできる浅い小じわであり、保湿ケアによる乾燥防御や紫外線防御により真皮性のしわへの移行を防ぐことが可能です。
これに対し真皮性のしわは、主に紫外線の影響で真皮の線維成分であるコラーゲンやエラスチン、その間を埋めているヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などの基質に著しい量的、質的な変化が起こり、その結果皮膚のハリと弾力がなくなることでできる深いしわであり、保湿ケアでは進行をくい止めることができません。

この深いしわはセルフケアで改善が難しくとも、現在の美容医療で改善させるいくつかの治療法があります。

しわの改善

治療法の代表に水光注射治療やPRP(多血小板血漿)注入治療などがあります。

水光注射治療とは機器を用いて極細の針で皮膚に多数の孔を開け、同時にヒアルロン酸などのシワ改善成分を皮膚に吸収させ、しわの改善をさせる治療法です。
また皮膚に孔を開けることで働く創傷治癒の自己修復機能により、コラーゲン線維が再生されることでもシワの改善が得られます。

PRP注入治療とは、皮膚に注入するPRPに含まれる成長因子が真皮内の線維芽細胞に働くことで、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの基質産生が促進されるため、しわを改善させる治療としても用いられます。
私の勤務するクリニックでは力を注いでいる治療法のひとつでもあります。

その他深いしわの治療法には、ヒアルロン酸を注入し、しわの凹凸をなくす治療や、HIFUという機器やヒアルロン酸注入でしわでたるんだ皮膚を支持する組織を強化し、リフトアップをさせる方法などがあります。これらの治療法については今後のコラムで詳しくお話しします。

目尻・目元の小じわは、その人の生きた証を象徴する魅力的なものでもあると思います。
ですが深く形成されてしまったしわは疲れた印象につながりますし、また実年齢より老けてみえることも少なくありません。

美容医療で改善を目指してみてはいかがでしょうか??

樋口 彩子

Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ 皮膚専門外来医師

帝京大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学付属第三病院にて初期研修を修了。その後、東京慈恵会医科大学病院皮膚科学講座に入局。助教に就任後、Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ、皮膚専門外来を担当。 皮膚科一般診療及び美容皮膚科診療を得意分野とする。 日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本香粧品学会 所属。