犬の皮膚とヒトの皮膚

犬の皮膚は季節の変化に敏感?!

わんちゃんも季節によって皮膚のトラブルが起こるのはご存知でしょうか?
動物病院において、皮膚科の患者さんの来院数が最も多いのは春〜夏といわれています。
特にアトピー性皮膚炎や脂漏症、多汗症のわんちゃんは、気候が暖かくなったり、
湿気が多くなるような時期になると皮膚が痒くなったり、皮脂や汗が多くなったり、湿疹を作ったりして、皮膚のトラブルが増えてきます。

皮膚トラブルへの予防対策

もし、毎年、暖かくなる時期に皮膚が悪化する場合は、悪化する季節の前から対策を行う必要があります。
例えば、、、

  • シャンプーの回数を少し増やして清潔にする
  • 保湿剤をしっかり塗布する
  • 皮膚の栄養を整えるサプリメントを飲む

など悪化の時期に向けての皮膚作りを行う必要があります。
保湿剤の選び方としては、セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸、リピジュアなどの成分が含まれているもので、わんちゃんが嫌がらない使用感の良いものを選ぶとよいでしょう。
また、紫外線の影響も皮膚の悪化要因になる場合もありますので、犬用のサンスクリーンや紫外線予防に特化した洋服を着せてあげるのも良いですね。

犬のインナーケア

内側からのケアとして皮膚の栄養素の補充も大切です。皮膚の栄養素としては、良質なたんぱく質、必須脂肪酸やビタミンEが豊富に含まれたドッグフードやサプリメントを与えましょう。
これらは皮脂の調整や皮膚や被毛の艶を維持してより良い皮膚を形成してくれます。
まさに、犬の皮膚も人間と同じように、外側から、そして内側からのケアを根気強く行うことが重要です。

今年の夏に向けて、ご家庭のわんちゃんも皮膚作りを強化していきましょう。

江角 真梨子

獣医師/日本獣医皮膚科学会認定医、日本コスメティック協会認定指導員(インストラクター)

 

日本大学獣医学科卒業後、動物病院の勤務医として一般診療に従事。その後、東京農工大学動物医療センター 全科研修医修了後、現在のVet Derm Tokyoに所属し、各地の動物病院に出張で皮膚科診療を行っている。専門学校ビジョナリーアーツ非常勤講師、帝京科学大学非常勤講師なども務める。