知ってためになる皮膚の話(皮膚の日について)

11月12日は「皮膚の日」です。

「11(イイ)12(ヒフ)」にちなんで、日本臨床皮膚科医会は11月12日を、「皮膚の日」と定めました。毎年この日を中心に、皮膚疾患についての正しい知識の普及を目的とした、さまざまな啓発活動が行われています。

そんな「皮膚の日」にちなみ、今回は皮膚について改めて考えてみたいと思います。

皮膚の働き
皮膚は体全体を覆い保護する臓器で、表皮・真皮・皮下組織に分かれています。

表皮の働き
バリア機能(内側の水分を守り、外界からの異物の侵入を防ぐ)を担います。

真皮の働き
皮膚全体に弾力やクッション性を与え、皮膚の強度を保ちます。ここに、血管・汗腺・脂腺・毛包などがあります。

皮下組織の働き
大部分が脂肪組織からなり、表皮と真皮を支えるクッションのような働きをしています。ここには動脈や静脈があります。

Topics~皮膚は語る~
皮膚は人の体の中で一番大きな臓器です。

・約1.6平方メートルの大きさ。
・体全体の約16%を占める。

(例)

畳1畳の広さ 1.62㎡        シングル布団の面積 3.15㎡

皮膚は大きいだけでなく、体の表面にあることにより、一番多く目にする臓器でもあります。この皮膚に病気特有の症状が現れることがあり、これを「デルマドローム」といいます。

各内臓に支障が起こると…

肝臓
肝臓の機能が低下すると手の親指や小指の付け根が赤くなる。(=手掌紅斑)
皮膚の色が黄色く染まる。(=黄疸)

腎臓
皮膚が乾燥する。(=乾燥性皮膚、乾皮症)
だんだん皮膚がどす黒くなる。(=色素沈着)
強いかゆみを伴う発疹が出る。(=痒疹)


指が太鼓のばちのように肥大する。(=ばち状指)

病気と密接に関わる皮膚の変化は…

糖尿病
皮膚が乾燥し、かゆみが現れる。(=皮膚掻痒症)
免疫低下に伴い感染症にかかる。(=白癬症、カンジダ症など)
小さな傷が治らなくなり潰瘍化、さらに進行すると壊疽を起こす。
                  (=糖尿病性潰瘍・壊疽)

がん
老人性イボが急激に増え、皮膚のかゆみを伴う。 → 胃がん、大腸がん、悪性リンパ腫
皮膚が黒ずみ、ごわごわする。 → 胃がん
皮膚が鱗のように剥がれ落ちる。 → 血液がん

膠原病
冷たい水などに触れると手足の先が白く変色し、その後紫色に変わる。(=レイノー現象)
鼻と頬に左右対称に赤い斑点が現れる。(=蝶形紅斑)
薄紫色の発疹が上まぶたに見られる。 (=ヘリオトロープ疹)

このように皮膚は私たちに、さまざまなことを教えてくれます。
「皮膚の日」に、改めて見つめなおすことはもちろん、
日頃から皮膚の声に耳を傾け、気になることがあった場合は、
早めに皮膚科医に相談しましょう。

日本コスメティック協会事務局