日焼け肌はかっこいい!?① 〜「光老化」について〜

明けましておめでとうございます。とうとう2020年。待望のオリンピックイヤーとなり開催国である日本人選手たちの活躍も期待されています。観戦予定の方も大勢いらっしゃるかと思いますが、ご自身の観戦対策は万全ですか?

当コラムでは昨年も、男性の肌悩みに関してさまざまなアドバイスをしてまいりましたが、男性の患者さまのお悩みの多くが、しみ・いぼ・しわであるにも関わらず、そのほとんどの方が紫外線対策を行っていないことに診療を通じて驚かされます。

ご存知でしょうか?これらのお悩みの原因のほとんどが太陽光線の中の紫外線であるということを。

そこで、今回は太陽光線が皮膚に与える影響についてお話したいと思います。

浴びすぎはNG!太陽光線の正しい受け方

太陽光線を顔や手の甲に適度に浴びると、健康維持に必要なビタミンDが皮膚で作り出されます。地域や季節にもよりますが、必要量の摂取には5分から数10分程度浴びるだけで十分です。

さらに、健康維持に必要な一定時間を超えた長時間、無防備に太陽光線を浴びてしまうと肌のさまざまな健康障害である「光老化」という現象を引き起こしてしまいます。

肌の老化には「光老化」と「加齢による老化」があり、その内訳はなんと「光老化」が8割を占め、「加齢による老化」は2割程度だと言われています。

「光老化」は年齢を重ねて生じる自然な生理的老化とは異なるもので、肌のくすみや弾力低下に加えて、しみ・いぼ・しわ・たるみ、が見た目の変化として現れます。また、この老化の行く末には命を落とすことにつながりかねない、皮膚がんを発症する可能性もあるのです。

いかがでしょう?

サーフ系モテ男子、ちょいわるオヤジ、などを理想として小麦色に日焼けされた状態を維持されている男性諸君。
その先には、しみだらけ・しわだらけ・ごわついた硬い肌、が待っていますよ!

肌の老化の8割が「光老化」。この知識を持っても、あなたは日焼けを楽しみ続けられますか?

樋口 彩子

Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ 皮膚専門外来医師

帝京大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学付属第三病院にて初期研修を修了。その後、東京慈恵会医科大学病院皮膚科学講座に入局。助教に就任後、Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ、皮膚専門外来を担当。 皮膚科一般診療及び美容皮膚科診療を得意分野とする。 日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本香粧品学会 所属。