男性の体臭について ~Vol2 加齢臭(おじん臭)とは~

前回のコラムでお話ししたように、中高年の男性の体臭には30代から40代で顕著となる「ミドル脂臭」と50代以降で顕著となる「加齢臭(おじん臭)」があります。

体臭について考える2回目は、50代以降の男性特有の臭気「加齢臭(おじん臭)」についてご説明したいと思います。

~加齢臭(おじん臭)~

加齢臭の主な原因物質は「ノネナール」という物質です。皮脂腺由来の皮脂のうち「パルミトレイン酸」という脂肪酸が加齢に伴い増加し、さらには皮膚表面の過酸化脂質も同様に増加していきます。それら「パルミトレイン酸」などの成分が、空気中の酸素や皮膚表面の過酸化脂質により酸化し「ノネナール」という臭いを放つ物質へと変化します。

前回お伝えしたミドル脂臭が使い古した油のようなにおいであるのに対し、加齢臭は枯草のようなにおいとなります。使い古した油のにおい、枯草のにおい…いずれにせよ自分の体から放たれていると思うとぞっとしますね。

~中高年男性の体臭対策上級者におすすめしたいフレグランス~

前回のコラムに書いた体臭対策がすっかり身についた方はフレグランスをうまく利用し、更なる美男性を目指してみてはいかがでしょうか?

香りを楽しむ芳香製品の総称を「フレグランス」と言います。液状のフレグランス化粧品は香料の含有量、持続時間によって香水(パフューム・パルファム)→ オードパルファム → オードトワレ → オーデコロン → フレッシュコロンの5つに分類され、降順に香料の含有量が低く、持続時間が短くなります。香料の含有量が5%以下、持続時間も2時間前後である、オーデコロンやフレッシュコロンは新鮮な香りを残すために香りづけとして利用されます。主に身だしなみとして使われる嗜好品は香水・オードパルファム・オードトワレとなります。

香水(パフューム、パルファム)
香料が50~200種類も配合されて作り上げられており、まさに香りの芸術品といえます。持続時間は5時間以上とフレグランス化粧品の中で最も長いものとなります。

オードパルファム
香水に比べて香料の含有量は少し劣りますが、香りの持続時間が4~6時間と長くまた、香水に比べて価格が手ごろであるため使用しやすいものとなっております。香水と同じ名前の商品が多く用意されています。

オードトワレ
香料の含有量は香水の半分以下となりますが、香りの持続時間が3~4時間となるため、1日の中で重ね付けをすることにより様ざまな香りを楽しむことができ、日常用としてよく使われる方が多いのがこのフレグランスです。


香りはその人らしさを強調し相手の記憶に残ります。ご自身の香りを見つけ出し、たしなんでみてはいかがでしょうか?

樋口 彩子

Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ 皮膚専門外来医師

帝京大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学付属第三病院にて初期研修を修了。その後、東京慈恵会医科大学病院皮膚科学講座に入局。助教に就任後、Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ、皮膚専門外来を担当。 皮膚科一般診療及び美容皮膚科診療を得意分野とする。 日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本香粧品学会 所属。