美を意識する(1)

一般的に男性は、良くも悪くも熱中しやすく一途な傾向にあるとされています。これは私自身も診療において、多くの男性の患者様に感じることです。「かっこよくなりたい」「若返りたい」、印象を変えるには、もちろんそのように“美”を意識することがまず一番に必要なことです。しかし、悪い意味で“美”に“一途”、つまり“固執”することは避けていただきたいところです。

社会で戦い続けてきている男性は、きっとこれまで多くの苦難や挫折を味わってこられたでしょう。また包容力で家庭を常に顧みつつ、一方では趣味にも没頭してこられたでしょう。そのような豊かな人生を生きてきた証が刻まれた顔はとても魅力的です。 優しく見える少しぼやけてきた輪郭も、たくさん笑ってきた証である目尻のしわも男性ならではの魅力であると思います。一途に没頭しやすい男性は、“美”に関しては視野を広げ美意識を高く持ちつつも、足りないものを少しずつ補うくらいの気持ちで、自分の心のゆとりに合わせてバランスよく取り入れ、変化を楽しみ続けられことをおすすめします。

樋口 彩子

Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ 皮膚専門外来医師

帝京大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学付属第三病院にて初期研修を修了。その後、東京慈恵会医科大学病院皮膚科学講座に入局。助教に就任後、Dクリニック東京 メンズ・Dクリニック東京 ウィメンズ、皮膚専門外来を担当。 皮膚科一般診療及び美容皮膚科診療を得意分野とする。 日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本香粧品学会 所属。