【対談vol.1】ミュゼ×川島眞~美容業界における安心~ 

日本初の美容皮膚科専門学術誌「Bella Pelle」での対談「医療と美容、それぞれの脱毛の未来を語る 」から5年(2018年5月発行)。その後の美容業界における『安心』『信頼』『実績』『独自性』『将来性』について全5回に分けて語り合います。

【Vol.1】
SNSを中心に医療脱毛サロンや美容脱毛サロンの契約トラブルが度々話題になっている。
この問題を脱毛サロンのリーディングカンパニーであるミュゼプラチナムはどのように捉えているのか。日本コスメティック協会理事長の川島眞氏が株式会社ミュゼプラチナム執行役員の鎌田真理子氏にインタビューを行った。

契約トラブルについて

川島
今回は消費者の安心をテーマに、お話を伺っていきたいと思います。昨今、医療脱毛クリニックや美容脱毛サロンでの消費者との契約トラブルが時に見受けられます。まず業界最大手のミュゼプラチナムはこの問題をどのようにお考えでしょうか。

鎌田
契約トラブルには様々な要因があるので一概には言えませんが、お客様とサービスを提供する側に認識の齟齬があると『聞いていた話と違う!』と、その後のトラブルに発展してしまいます。弊社では契約時に料金、通う頻度などお客様が不安に感じる部分はしっかり説明して、ご納得いただいてから契約をすることを徹底しております。消費者が安心して通うことのできる環境づくりは、創業当時から大切にしている部分です。

川島
メディアの中には成人年齢引き下げによる契約トラブルが懸念されるという記事も数多く見受けられます。実際にそのようなことはあるのでしょうか。

鎌田
弊社に限った話ですが、これまでにトラブルにつながった例は特にありません。もともと美容業界では若年層を中心とした契約トラブルについて多数報告がされていることから、我々もお客様やその親御様が安心して契約していただけるよう、18歳・19歳の高校生や高専生が契約を結ぶ場合、親権者様へ契約に関する同意書をご記入いただく自主ルールを設けています。また、契約時には親権者様の同席を推奨しておりますが、難しい場合にはお電話で契約内容の説明を行い、契約内容に相違がないか確認してから契約を結ぶようにしています。

川島
それは親御様の安心に繋がりますね。医療の場合は法規制が整備されているので、誇大広告もできないですし、消費者も契約に関する勘違いも起きにくい状況です。美容の場合はキャンペーン価格やキャンペーンコースが頻繁に変わるイメージがあるので、説明責任を全うすることは企業の姿勢としても大切なことですね。

鎌田
そうですね。たとえば全身脱毛を希望される方でも最適な回数は個人によって違いますし、脱毛する箇所によっても組み合わせは何通りもできてしまいます。だからこそなぜこのコースがいいのか、なぜこの回数なのか、将来どのように肌が変わっていくのか、ご本人様はもちろんのこと、ご家族様にもご納得いただくことが、そもそものトラブル回避につながるのではと感じています。

川島
医療の観点から見ても、治療におけるリスクの説明などは必ず行いますし、明確な説明義務があります。業界全体にもこのようなルールがあることが望ましいのかもしれませんね。

お手入れの安全性について

川島
5年前の対談で、月間約30万件の脱毛施術を行っているお話を伺いました。それだけの数をこなしながらも火傷や痛みがトラブルにつながることはほぼないと仰っていましたが、それは今現在も変わりありませんか。

鎌田
現在でも火傷はほとんど起きていないといえます。起きたとしても非常に軽症で痕が残るものではなく、トラブルや訴訟に至るようなケースはありません。 機械の出力も一定以上は出ないよう制限をかけております。

川島
最近ですと医療も美容も様々な機械が市場に出回っています。ミュゼプラチナムの機械もアップデートされているのですか。

鎌田
機械に冷却機能や連射機能が追加されるなど性能自体は向上しています。連射機能がつくことによって従来と比べ約30%早くお手入れが終わるようになりました。さらに機械だけでなく、肌に塗布する化粧品も常にブラッシュアップしており、お肌にかかる負担は5年前と比べても格段に軽減されています。

川島
元々トラブルはないと仰っていましたが、そういった状況にも驕ることなく進化を続けているとは企業姿勢として素晴らしいですね。当時から施術には厳しい基準を設けていた印象があります。その方針は変わらないですか。

鎌田
お手入れの際の決まり事やルールは、都度見直しをかけています。ミュゼプラチナムでは5年前はフェイシャルの脱毛を行っていなかったのですが、2年前からフェイシャルのお手入れをスタートしました。これまでは肌の状態でお手入れの可否を判断していたのですが、フェイシャルが始まってからは歯の治療中であるとか、インプラントが入っていないかなど細かく確認をし、安全にサービスが提供できるようにしています。

最後に

川島
以前私は医療脱毛と美容脱毛サロンは共存していくべきだと申し上げました。「手入れが一切必要ない状態」あるいは、「時々の手入れで、ある程度きれいな状態を保てる状態」によって通う場所も変わってくると考えているからです。ただし、その前提には顧客の安心に考慮し、何に対しても真摯な対応ができることが重要だと思っています。業界最大手のミュゼプラチナムはその点において、かなり顧客の心に寄り添ったサービスを展開していると言えるでしょう。

次回は美容業界の「信頼」をテーマにお話を伺います。

川島 眞

東京女子医科大学名誉教授
日本コスメティック協会理事長
東京大学医学部卒業。パリ市パスツール研究所に留学、東京大学医学部皮膚科講師を経て、東京女子医科大学皮膚科主任教授に就任。アトピー性皮膚炎をはじめ、美容、皮膚ウイルス感染症、接触皮膚炎などを主に研究。
日本美容皮膚科学会理事長、日本香粧品学会理事長などを歴任。平成30年に東京女子医科大学名誉教授に就任。現在、日本コスメティック協会理事長、医療法人社団ウェルエイジング名誉院長、東京薬科大学客員教授を併任。

鎌田真理子

株式会社ミュゼプラチナム
執行役員、教育部部長
大手エステサロンに入社後、ヨガを本格的に学ぶべく海外に留学。2007年エステティシャンとしてミュゼプラチナムに入社し、おもてなしの接客ときめ細やかなサービスでお客さまの信頼を集め、店長、エリアマネージャー、ブロック長、営業部部長を歴任。201610月より、エステティシャン出身者として当社初となる執行役員に就任。また2015年、2017年ミス・ユニバース・ジャパン ファイナリストBC講師、2016ミス・ユニバース・ジャパン日本代表公式コーチとして指導を行った実績を持つ。現在では教育部の責任者として、3,000人を超えるスタッフへ「おもてなしの接客」を伝えている。