今や日傘は日焼け予防の必須アイテム

「日傘男子」という言葉もすっかりメジャーになり、強い太陽光から身を守ってくれる日傘は、老若男女問わず現代人の必須アイテムとなりつつあります。環境省でも普及啓発用のPOPを作成するなど(文献1)、日傘の活用を推進しています(文献2)。

今回はこの日傘について、考えてみたいと思います。

日傘の使用実態

「光老化」啓発プロジェクト委員会が2023年8月に行った調査では、この夏に紫外線対策として日傘を使用していると回答した人は、常に使用もしくは時々使用を合わせると、男性16.0%、女性71.2%でした(文献3)。
割合としては男性の使用率は女性の4分の1以下ですが、性別にとらわれずに使用している人が増えています。

日傘のメリット

日傘を使用するメリットとして、

・紫外線が直接肌にあたるのを防ぎ、光老化予防対策となる
・体表面の温度の上昇を防ぎ、暑さなどから起こる熱中症を防ぐ

などが挙げられます。

では日傘を使用する人はこのメリットを考慮し、日傘を選んでいるのでしょうか。

日傘を選ぶ基準

日傘を選ぶ時に重視する項目を4つの選択肢の中よりたずねた質問では、「遮熱効果」を重視する人が40.4%、「紫外線カット率」を重視する人が39.1%と、「近赤外線カット率」や「UPF」表示を重視する人の2倍以上となっています。
遮「熱」と書くものの実際は光を反射させる効果のあるもので、これを含むと4つの項目全てが日焼け対策に関わっているものですが、このアンケート結果をみると「近赤外線」、「UPF」といった言葉にまだまだ馴染みがないように思われます。

近赤外線にも注目

この4つの日焼け対策に関する項目を、改めておさらいしたいと思います。

近年、肌の奥深くに届く「近赤外線」が日焼けの原因として注目されており、これを防ぐ効果のある日焼け止め等も各メーカーから販売されています。より日焼け対策を効果的に行うために、近赤外線も意識すると良いでしょう。

まとめ

遮熱効果」「紫外線カット率」「近赤外線カット率」「UPF」。
これらを指標に使用シーンや用途に合わせ適切な日傘を選び、上手に活用していきましょう。

文献1
平成31年度 暑熱環境に対する適応策調査業務報告書
3.個人における適応策の推進
https://www.env.go.jp/air/report/h31-01/31.html(accessed 2023-10-12)
https://www.env.go.jp/content/000074922.pdf(accessed 2023-10-12)

文献2
環境省報道発表資料(2021年07月20日)
熱中症警戒アラート、日傘レンタルサービス及び天気アプリとの連携について
https://www.env.go.jp/press/109815.html(accessed 2023-10-12)

文献3
「光老化」啓発プロジェクト委員会: 「光老化」認知度調査第14回(2023年8月)第3報「この夏の紫外線対策と紫外線対策のアイテムで重視すること」
https://www.hikari-rouka.org/column/20230906-3/ (accessed 2023-10-12)

文献4
平松 泰成, 倉持 正博, 川島 眞: サンスクリーン剤の近赤外線遮断効果の測定法と遮断効果評価基準(SNIP). Aesthetic dermatology, 29 (3), 233-238, 2019-09.

日本コスメティック協会事務局