リップケアについて

今回は唇の話と、そのケアについてです。

唇とは

唇の皮膚は、顔の皮膚と口の中の粘膜との移行部(中間)です。
この部分の角層は顔などの皮膚に比べて薄く、また水分蒸散が多く、そして皮脂腺や汗腺もありません。
よって皮脂膜形成ができないので、保湿能力が低くて乾燥しやすいという特徴があります。
さらにはメラニン色素もほとんどないので、紫外線防御機能も低いです。

「人の印象は外見が9 割」などと言われて久しいですが、特に唇を注視する人が多いことは意外と知られていません。
唇は、その人の「生きものとしての鮮度」をダイレクトに表している場所。
つまりは唇に、人間性が集約していると考えられているようです。

冬のリップケアについて

第一印象に深く関わる唇。
顔を合わせた時に乾燥していたり、さらにはひび割れていたことで、イメージダウンしたという声もよく聞きます。
そんな大切な唇、皆さんはきちんとケアできていますか?
まず唇の乾燥対策の基本は、

①なめないこと
②リップクリームを塗ること

この2つができていれば通常なら荒れることはありませんが、ケアをしても皮がむける等の症状が1週間以上続く場合、日薔箋*を起こしている可能性がありますので、皮膚科の受診をお勧めします。(*唇に発生した湿疹・皮膚炎。)

唇の皮膚は薄く、吸収性がよいために、弱ステロイド軟膏を数日間塗るだけで軽減されるでしょう。

ただし、 冬場は治ってもぶり返しやすい季節ですので、毎日保湿をしっかりと保ち、うるおいを逃さないように心がけてください。
乾燥がひどい時には、口紅やリップグロスも刺激となる場合があります。

いつもより乾燥を感じたら、口紅を塗る前にリップクリームで唇をカバーしておくと安心です。
また、リップクリームおよびワセリンをたっぷりと塗り、ラップ等でパックするのも効果的。

さらに、睡眠中の乾燥にも注意が必要です。
寝る前にたっぷりとリップクリームを塗り、部屋の湿度が50%を下まわる場合は、加湿器や濡れたタオルを寝室にかけて眠るようにしましょう。

つい気になっても、唇の皮を無理やり剥く行為は絶対にやめましょう。

リップクリームを塗る際の正しい口型とは?

リップクリームを塗るのにも、正しい口型があるのをご存知でしょうか?

イラストなどでよく見かける「う」の発音時のような形で、突き出した口の形。
その型をしたまま塗ってしまうと、どうしてもシワができてしまい、その間が塗り残しになってしまいます。

そこで、リップクリームを塗るときは、唇の縦ジワをよく伸ばした状態になるように、「い」を発音するときの唇の形にするのがベストです。

ぜひ、実践してみてください。

日本コスメティック協会事務局